誰も知らない死刑の舞台裏 (二見レインボー文庫)

誰も知らない死刑の舞台裏 (二見レインボー文庫) の詳細

上記：タイトルに記載した理由で、星評価：５個です！ きっと､この本の中で､著者が 訴えたかったことは：①日本の死刑制度は このままで良いのか？ ②警察の取調べ方や､証拠の重みの個人差や 検察の処理方法の良し悪し ③裁判官の個人差で 刑の種類や期間に差が出るのは？（これは､弁護士の力量の差も同じ）④刑務所内での死刑囚の 取扱い方は 違憲でないのか？ ⑤死刑実施の流れ（期間等）は 法律があるのに 守られていないのはなぜか？ ⑥現在の死刑実行は､その当日の朝に言われ､基本的に即､実行され､遺言や手紙を書く時間もないのはなぜ？ ⑦冤罪の実例や､それを起こさない方法 等です。また､この本の 流れは､「死刑」や､刑罰は 人類の過去と同じ歴史と古さが あり､その当時（大昔､人類が 社会生活を 営む様に なったころ～現在まで）､「死刑」は､その地域の「宗教」「政治」「歴史」「文化」「国民性」等、色々な物に 左右されて来たのです。この「本」は､死刑（制度）を､できるだけ 客観的にとらえ（それは､本当は困難ですが･･･｡）優しく詳細に解説してくれています。少々､刑法用語が散在していますが･･･｡ 本の最初は「オウム事件」の詳細に始まり～近代､現代の「冤罪」に至るまでの､「凶悪事件」の背景～「逮捕」～「警察の証拠分析と取調べ」～「調書作成（強制的自白？）」～「送検」～「裁判」～「死刑判決」～「刑務所での実生活の詳細（独房の写真）」～「実際の死刑実施場所の詳細（図と写真）」～「死刑後の検死の実際」の 流れに沿い､事件の内容や、警察の捜査の「良し悪し」､犯人の取調べ時の「落とし方の秘儀」､人間的ですが､「刑務官等の刑を実施する側の葛藤」､「実際にあった近代の冤罪事件の数々」､「今後の日本における 死刑制度の 再考（国際標準の中で）」が記載されていています。「死刑制度の疑問点」として：１．死刑制度が凶悪犯罪の抑止力になっているかどうか？ (米国の各州では死刑について Yes，Noの 州が ありますが､死刑の ある州でも､犯罪の抑止力には なっていない様です）２．死刑は残虐か？ ３．被害者感情は（死刑制度で）収まるか？（殺された被害者は戻って来ない） ４．世論は？（真剣に制度の存続を願っているか？）▲この4つと､本の最後の３行「被害者遺族の心の救いも含めて､私たちはもっと積極的に死刑制度を考えなければならないのではないだろうか。そのためには､どのような情報がどの程度開かれているかが重要な鍵となってくる。」が印象的でした！ 読み終えた後､もし、自分が､この 本 の中の 犯人に なってしまったならば・・・！？と､少し「怖い」心境になりました。また、生々しい「事件」の内容も含まれていて・・・な箇所は､飛ばし読みしても良いと思います。「死刑」を､再考するに 値 する 良書 だと 思いますよ！